じゃわめぎんど!

特定非営利活動法人 青森じゃわめぎ隊のブログです。
このブログでは、ココロとカラダが「じゃわめぐ」ような人、もの、イベントetc...を「じゃわめぎんど」としてご紹介していきます。
「じゃわめぐ」とは、うずうずする、血が騒ぐ、心が逸る・・・そんな感じを表現する津軽弁です。
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第1回 笛工房「郷音(さとね)」
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    求める相手があってこそ。心を込めて、じゃわめぐ「音」を伝えるこだわりの手仕事。
    「笛工房 郷音(さとね)」

    青森市内でも東方面、と称される側の少し奥の地区、比較的静かな場所にある、佇まいは普通の「家」。
    初めて訪れた人は、少しとまどうのではないでしょうか。でも、確かに外壁にこんな目印・・・。


      
    青森ねぶた囃子を始め、囃子方にとっては「命」とも言える楽器と道具を扱う「笛工房 郷音」さん。

    今回は、主宰の今真佐子さんにお話を伺いました。
      
    −まず、この工房を始めたきっかけは?
      98年に職場の人に誘われて、青森ねぶたの囃子方を始めたんです。最初は勧められた笛を使っていたのですが、
     そのうちに『自分に合った笛が欲しい』と、思い始めて・・・。

      そこで、人を介して知り合った、笛作りの名人の所に行き、許可を得て、その名人が作っている横で作り方の技を盗んで、
     いろいろとやっているうちに・・・という感じです。

     
    −まずは『自分の笛が欲しい』が、スタートだったわけですね?
      そうなんです・・・「この笛だといい音が出ない」って。今になれば、それは単純に自分の技量がなかっただけなんです
      が。

     
    98年・・・と、いいますと、それほど前ではないですよね、ちょっと意外です。
     もっとずっと昔から携わっておられるイメージがあったのですが・・・

      そんなことないのですよ、囃子方もすっかりいい年になってから始めたので。
     
    −そこから、現在の笛工房さんに至った経緯は?
      名人の所へ通い詰めて、親しくなり、笛を作るのが面白くなってきたんですね、そうしているうちに「作った笛を譲って欲
     しい」と、いう方が現れ始めて・・・

      そしてまた大きなきっかけになったのは、その名人が亡くなった事です。
      名人の技を多少なりとも手習いしたものですから、以前、名人が作った笛の修理をしてほしい、という方々が、笛を持って
     くるようになりました。名人亡き後、少しでもお役に立てるのであれば、という気持ちで
    20087月に「笛工房」として
     スタートしました。

     
    −「郷音(さとね)」さんのお名前の由来は?
      最初は「笛工房」だけだったんです。名人が「響会」という会を作っていまして、「響」という字を分解すると「郷」と
     「音」になるでしょう?それでその二文字で「郷音(さとね)」と、しました。


     
    《調子笛》
     3本調子から9本調子まで。音の高さは(低)→(高)
     岩木山の御山参詣の登山囃子から御神輿のお囃子、といったイメージ。
     

     
     

    《修理した笛》
    笛は竹で出来ているので、温度や湿度にも敏感で割れやすい。
    割れた部分に特殊な塗料を入れて、糸で巻いて修理する。

    「ここが割れた部分です」と、教えていただいたが、
    カメラの接写モードでもわからない御見事な仕事。

     


    −では、最初は笛だけだったのが、段々と他の楽器や、収納のための小物も扱うようになっていったのですね?
      そうですね。とにかく、まず、自分で「ああ、こんなのがあったらいいな」と、思うのが始まりです。
      そうやって作ってみたものを皆さんに使っていただき、そこからいただいた声をまた次のものづくりに生かして・・・
      という事ですね。

     

    《ねぶた太鼓のバチ》
     14ミリからお好みの太さが選べる。焼き印がおしゃれ。


       




     
        手振り鉦の房も、お好みの色に染めてくれる。

     こちらは、持ち手までが見事なグラデーション。
     染めて、乾かして、また染めて・・・といった作業を繰り返し、
        房の完成だけでも最短で
    1間以上はかかるそうです。
     最近の房がカラフルなのは、笛工房さんの影響かもしれません。

     

    −それで、笛から派生して太鼓のバチや手振り鉦、そしてそれを収納するための小物類にまでに至ったわけですね? 
     袋物などは、やはり使い手の意見を取り入れてお作りになる?

      そうです。袋物は、生地から仕入れているのですが、同じ生地を使って同じものは作りません。すべて「1点もの」
      にこだわっています。「他の人と同じの持ってる」は、なし、ですよね。

     
    −ちょっと変わった袋物もあるようですが・・・・
      お客様に「こんなのがほしい」と、言われると、じゃぁやってみようかしら・・・、という感じで、
      試行錯誤しながらあれこれと・・・。「別々じゃなく、全部一緒にできるの」とか、

      「内側にポケットつけて」とか。様々ですが、言っていただけるほうが嬉しいし、励みになります。
     

    「生地から仕入れる」こだわり。なので、持ち込みの生地では
     作らないそうだ。
     作ったものは全部覚えていらっしゃる、とのこと
    ですが、
     きらびやかな中に、一番左に、ちょっと気になる生地が・・・

      
            
    「同じ生地では作らない」ので、必然的にこういった3点セット、になるそうです。
      完全にマイ・オリジナル、ですね。


                            
    これは、8本同時に収納できる笛用。
     
    そしてこちらが噂の「全部収納」ポケット付。

     
    地元より、首都圏など、電車移動がある皆さんからの注文が多いとか。 なるほど、頷けます。

     

    −囃子方の皆さんは、やっぱりいい意味での「こだわり」がかなりありますよね。
      そうですね。特に笛などは「誰も持ってないようなもの」とか「とにかくカッコイイの」
      と、いう注文が多いです。後は、所属されてる団体さんで合わせている音の高さが違いますので、
      キーの合ったものをお出ししています。

      笛工房「郷音」では、どなたにでも笛をお出しするわけではありません。実際にお会いした事がある方、
      その方が、どういう方なのか、それがわかる方にしか笛はお作りいたしません。

      最近は、Facebookで、とても多くの方が見て下さって、それは本当にありがたいのですが
      見知らぬ方から「笛を送って」には対応しておりません。顔が見えて、初めて、の仕事です。
      そしてまた「あの方のために・・・」と、人となりを思い浮かべながら作っている時が、本当に楽しい時間でもあります。
     

      とにかく誰も持っていないようなもの、カッコイイもの、
     津軽弁で言う、良くも悪くも「えふりこぎ」の注文に応えるのはさぞかし大変・・・

     いやいや、楽しんでいらっしゃるように感じた。

     
     

    道具」ではあるけど、「自分自身」使い手にはそうであって欲しい、
    という気
    持ちが込められた1点1点だ。
    遠くから見ても「あ、ウチの笛だ!」と、すぐにわかるそう。
    きっと嬉しい瞬間なの
    でしょう。

     


    −最後に、この仕事を通じて感じる事、また伝えたいことは?
      そうですね・・・いらして下さるお客様方とは、本当に不思議なご縁を感じます。
      お客様の顔を見て、お話をして、まず、約束を守ること。
           単純で、毎回同じ事なのかもしれませんが、
      
    その繰り返しこそが大切なのではないかと思っています。
      相手がいてこその、仕事だと感じ
    ています。

      伝えたい・・・といえば、「笛を買い」には来るけれど、「作りたい」、という人がいないんですよ。
      出し惜しみも何もないですから、作ってみたい、という方がいれば教えますよ。
     

     
     
    約束を守る」何気なく言われたこの言葉がとても胸にきました。
    そういう事をこんなにすっきりと言い放てる、凛とした姿勢、まるで自分自身の不誠実さを突かれたようでした。
    また、そういう姿勢がすべての品物の端々に滲みでていると感じました。言うのは簡単ですが、実行するのは容易ではないことです。

    その、誠実さが伝わって、たくさんのお客様が笛工房さんを訪れます。
    訪れたお客様と会って、話して、その人に「合った」道具を作ってくれる。
    究極のオーダーメイドだな、と、思ったのと同時に、
    そうやって作りだす事ができる技術をお持ちなのが大変羨ましく思えました。

    恐らく、きっかけは、小さな「好奇心」それを抱くか抱かないか、探ろうとするかしないか
    扉を開けるのは、自分自身でしかないのですね。その小さな好奇心こそが「じゃわめぎ」の始まりです。
    じゃわめぐ「魂」でじゃわめぐ「もの」を生み出す。それは「使ってもらう」ためにある。

    『相手がいるからこそ』
    人と人との繋がりこそが支える、手仕事なのですね。

    これからも、たくさんの「じゃわめぎ」を生み出して下さい。期待しています



    笛工房「郷音(さとね)」
    〒039-3504 青森市矢田下野尻2
    TEL 017-726-3523
    ★特に定休日や営業時間は設けていませんが、おいでの際はお電話下さい。
    facebookページも「笛工房」で検索してご覧ください。
    | jawamegitai2 | - | 00:47 | comments(1) | - | - |
    管理者の承認待ちコメントです。
    | - | 2016/08/28 12:53 AM |









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